ボトルスペック
生産地域:西ハイランド
蒸留所名:オーバン
オフィシャル/ボトラー名:オフィシャル
熟成年数:21年
ボトリング年:2018年
Oban distillery
Diageo Special Release 2018
aged 21 years
57.9%
解説
西ハイランドにある観光地、オーバン。観光業や港町として発展したオーバンですが、スティーブンソン兄弟による創業は1794年で、蒸留所をメインに町が発展していきました。1925年にディアジオの前身であるDCLが設立され、オーバンもその傘下となります。2基のポットスチルのみの小さな蒸留所で、ディアジオの所有する蒸留所の中でも小規模な蒸留所ですが、閉鎖されることはなく、1988年にはディアジオの前身となるUnited Distillersが定めたクラシックモルトの一つにオーバンが入っています。その頃のオーバンは12年、このボトルも美味しいです。
ほとんどブレンデッドに回されることはないオーバン。しかしシングルモルトもスペシャルリリース以外のリリースはほとんど見かけません。ましてやボトラーズからのリリースはほぼありません。常に手に入るボトルである、オフィシャルスタンダードのボトルはオーバン14年で、年に1回ほどダブルマチュアードとしてモンティラ・フィノ・シェリーで後熟したものがリリースされています。こちらは限定リリースですし、バーでもクラシックモルトとしてオーバン14年だけ置いているお店が多いように思います。モルト好きの人でも、オーバンといえば14年しか飲んだことがないという方も多いのではないでしょうか。カスクストレングスのリリースはとくに珍しく、時々プライベートカスクがリリースされていることがあるようですが、見かけることはほとんどありません。一応過去に数回スペシャルリリースが何度かあり、たとえばオーバン1969の32年は個人的には大好きなボトルです。今回はおそらく5年ぶりくらいのディアジオスペシャルリリースではないでしょうか。
考察
さて、このボトルは口開けからバーボン樽の味わいと潮っぽい味わいがバランス良くあり、仕上がったボトルだなーという認識。大好きな1969のオーバンとは違う系統でしたが、今後どういう風に仕上がっていくのか気になっていました。
最近になり飲み直すと、不思議とパイナップルやキウイフルーツなどのフルーツ感があり、「そういう方向に触れたか!」と意外に思えるリリースでした。おそらくバーボン樽が馴染んでそういう味わいになってきたのだと思うのですが、樽がしっかり効いたオーバンなんてあまり経験がないこともあり、意外さが際立ちました。
これからもそこまでリリースが増えるわけでもないでしょうし、追いかけるのが大変な蒸留所ですが、好きな蒸留所の一つですので今後も買える価格でのリリースなら飲んだり買ったりしたいですね。
評価
評価:A++
テイスティングコメント
香りは麦、シーアスパラっぽい潮感と植物感、パイナップル、みかん、バニラ、少し落ち葉っぽいピーティーなニュアンス。
飲むと厚い麦感とオレンジ、パイナップル、クリーム、淡い潮気とバニラ、引き締めるウッディネス。余韻は長く麦と潮気のバランスが素晴らしい
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