オルドニー 1997 23年 ウイスキーファインド 鄭問三國誌 呂蒙 51.6%

ALDUNIE−1997 スペイサイド
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ボトルスペック

容量:700ml
生産地域:スペイサイド
蒸留所名:(キニンヴィ)
樽の種類:バーボンバレル
カスクNo.:1477・1499・1500
蒸留年:1997
熟成年数:23年
ボトリング年:2020年
総本数:520本(国内限定132本)

Aldunie (kininvie distillery)
bottler: THE WHISKY FIND (taiwan)
1997−2020
aged 23 years
51.6%
2 bourbon hogsheads
O/T: 520 bottles

解説

キニンヴィ蒸留所

1990年に設立された蒸留所、キニンヴィ。グレンフィディックとバルヴェニーをそれまで有していたウィリアム・グラント&サンズが、バルヴェニーの生産能力を補うために1990年に設立されました。1980〜1990年代はウイスキー不況期だった同時代、将来的にウイスキー増産を見据えて建設したようです。

独立した蒸留所、というよりはバルヴェニーの敷地の隣にあるようなポジションで、同じ蒸留所といっても良いぐらいの立地ですが、フロアモルティングを一部行なっているバルヴェニーとは作り分けをしており、キニンヴィはモルトスターの麦芽のみを利用しているようです。

30年が経って、結果現在のような空前のウイスキーブームを迎えるわけですが、キニンヴィの生産では増産が間に合わなかったのか、ウィリアム・グラント&サンズはカーヴァン蒸留所の敷地内に大規模な蒸留所、アイルサベイを設立します。

ここから先はあまり言及されているところが多くない事項なのですが、アイルサベイ設立後の2010年に、キニンヴィ蒸留所は一時生産を停止したと言及しているところが複数ありました12。2012年からは実験的な生産を行ったり、モンキーショルダーの原酒生産を続けているようです。

シングルモルトのリリースが少ない同蒸留所ですが、昨年大麦やライ麦を加えたウイスキー、キニンヴィワークスをリリースするなど、実験的な生産も行なっているようです。研究所みたいな意味合いもあるのかもしれませんね。

THE WHISKY FIND 威士忌坊

台湾で設立されたボトラーであるTHE WHISKY FIND。Odin氏がプロデュースするシリーズのボトラーは、高品質のものが多く、日本国内でも、アジア圏を中心とした世界でも人気のボトラーの一つです。

日本ではキムラが輸入代理店を行なっており、時々Odinも来日されていました。昔お会いした時に調子に乗って天下一品を食べないかと誘うと具合の悪そうな表情をされており、申し訳ない気持ちになりました…

山海經シリーズ、マッシュタンの鈴木氏とジョイントした、師匠と一緒に飲むシリーズ(與大師共飲)、JAZZINシリーズ、BAR TALKシリーズ、FILMNIKシリーズ、サイレントサードとコラボでリリースしたエレメントシリーズ、そして今回の鄭問三國誌シリーズがあります。同シリーズは特にハイレンジのボトルであることが多く、中身に自信があるものを三國誌シリーズにするのでしょう。

(前回紹介した孔明は三國志シリーズともちょっと違うのかもしれません)

考察

ウィリアム・グラントサンズのシングルモルトは基本的にシングルモルトとしての販売が許可されていないため、ティースプーンモルトとしてボトラーズから販売されることになります。バルヴェニーはバーンサイドと表記されることが多いですが、キニンヴィは地元の農場に倣い、オルドニーと表記されます。あまりリリースが多くないオルドニー表記ですが、過去にもリリースされており、また同時期に何種類かリリースがあるようなので、もしかすると今回はブローカー経由のリリースなのかもしれません。

今回のボトルは今年の2月に行われた秩父蒸留所のオンライン配信で少し紹介されていたようで、その後キムラより各酒屋に卸されたようです。よく行くバーで開いていたので飲ませてもらいました。

開けたては少し酸味が強かったのですが、時間経過で酸味は抑えられてきて、アップルやマスカットといったエステリーな味わいが広がっていきます。麦のニュアンスもしっかりあり、ある程度フルーティーなモルトが好きな方は実はかなり良いと感じられるボトルなのじゃないかと感じられました。

味わいもテイスィングコメントよりももう少し多層的で、いろんなフルーツの味わいや麦、ペッパー感を感じました。個人的にこういう麦感が主体なフルーツ感は結構好きなので、良い意味で驚かされたリリースでした。ややお値段は張りますが、見かけたら飲んで欲しいボトルの一つです。

テイスティングコメント

香りはハニーシロップ、バニラ、マスカットのジュレ、すりおろしたリンゴ、アニス
飲むとリンゴジュース、マスカット、ハニーシロップ、麦の甘味、ブラックペッパー、余韻はペッパーとアップルの果汁のような果実感が長く続く

評価

評価:A++

脚注

  1. https://www.bbr.com/producer-3066-kininvie-distillery
  2. https://www.malt-whisky-madness.com/maltmadness/whisky/kininvie.html

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