ベンロマック 2011-2020 9年 ウイスキーフープ向け 60.1%

スペイサイド
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酒類提供自粛前日のラストオーダーで頼んだボトルの一つでした

ボトルスペック

生産地域:スペイサイド
蒸留所名:ベンロマック
オフィシャル/ボトラー名:オフィシャル
樽の種類:ファーストフィルシェリーホグスヘッド
カスクナンバー:#10
蒸留年:2011
熟成年数:9年
ボトリング年:2020

Benromach distillery
Official / Exclusive for Whisky Hoop, JAPAN
2011-2020
aged 9 years
60.1%
First Fill Sherry Hogshead
O/T: 309 bottles

解説

スペイサイド西側のフォレス地区に唯一稼働している蒸留所、ベンロマック蒸留所。1898年にキャンベルタウンのグレン・ネヴィス蒸留所のダンカン・マッカラムと、ディーラーであったF.W.ブリックマンにより、独立資本のBenromach Distillery Companyとして設立されました。しかし前途多難な道を辿った同蒸留所、1953年にDCLに買収され、1983年には生産を停止します。1993年にゴードン&マクファイル(G&M)が(厳密にはGordon & Mcphailは商号で、屋号スペイモルト・ウィスキー・ディストリビュータというらしいですが)買収し、復活することとなりました。再開には5年の歳月を要し、1998年より蒸留再開、2004年にG&M初のリリースであるBenromach Traditionalをリリースします。

2020年にはスタンダードとなるベンロマック10年、15年がリニューアルしました。

また、ベンロマック21年がリリースされ、徐々に認知度が高まってきた同蒸留所。これからもリリースが楽しみです。

ウイスキー・フープ

「日本の愛好家が自分達が飲みたいウィスキーを安価にそして安定的に入手し、共に享受すること」を目的に2014年に設立された愛好家団体、ウイスキーフープ。曽根物産の坂本氏がチェアマンを勤め、現在日本に良質なウイスキーを引っ張ってくるべく精力的に活動をされています。

2018年にはThe Keepers of the Quaichを授与され、スコットランドでも同会の活動が評価されています。

https://www.scottishfield.co.uk/food-and-drink-2/whisky/worldwide-honours-from-the-keepers-of-the-quaich/

上記リンクに、坂本氏の名前があるのを確認できます。

同社のコネクションにより会員向けにハイクオリティなボトルを毎月頒布しています。

現在会員は200人弱で人気となったフープですが、ご縁があり運良く個人会員として現在まで参加させていただいています。ただ地方在住の私にとっては、まずは地元のバーにあるフープボトルを優先して飲むことのほうが重要な任務です笑

考察

さて、新ラベルになって1年近くなるでしょうか。日本向けのベンロマックのリリースも嬉しいことにいくつかありました。

コロナや運河の影響で物流がおかしくなった昨今、なかなか思うようにリリースがないようですが、私が知る限り新ラベル3本目のボトルです。

1本目はモルトヤマより2021年1月にリリースされた、ベンロマック2007年。ブログ記事にはしていませんが、ストレートでもよし、ハイボールにしても良しの低価格ながらもかなりよくできたリリースでした。

ベンリアック
ハイボールにしても美味しいベンロマックのモルトヤマ向けですが、ストレートでも美味しいです。そのうち記事にします。

また2月には2010年蒸留のfor JIS、インポーターであるJapan Import System向けのベンロマックがリリースされました。これも短期熟成のバーボンバレル熟成で、華やかなバーボンバレルの香味がなかなか良い、お手軽なリリースでした(写真は残念ながら撮っていませんでした)。

そして2021年4月頒布としてリリースされたのが今回のウイスキーフープ向け、スペックは短熟ですが珍しいファーストフィルシェリーで、ハイプルーフな9年熟成のボトルでした。

さて、話は脱線しましたが今回のボトルもなかなか良いチョイスでした。ファーストフィルシェリーですが短熟でしっかりと仕上げてきており、アプリコットやアップルビネガーといった、酸味を伴った赤い果実の香りがしっかり出てきます。そしてベンロマックらしい麦感がしっかりとあり、ウイスキーを飲んでいるなとしっかりと思わせるような厚みのある味わいです。

9年でハイプルーフですがとても熟成感があり、このタイミングでのボトリングはさすがといったところです。今飲んでも良いのですが、瓶熟させて一体感が出てきたときにどんな味わいを見せるのかも楽しみなボトルでした。

なお、テイスティングコメントに硝煙と記載していますが、たぶんこれはベンロマック由来でしょう。樽はG&Mが関わっているおかげかとても良く、シェリー樽の硫黄ではないと思われます。15年とかにあるアイツですが、これはそこまで嫌味があるものではなく、サルファだサルファだと、いたずらに拾うべきものでも無いだろうと感じました。

このボトルを飲んだ金沢のとあるバーも、突然の酒類提供自粛に困惑を隠せないようでした。判断する身ではないですが、私達ドリンカーが出来ることは、バーが必要であると声を挙げ続け、可能な限り顔を出すことだと考えています。

全国各地、顔を出したいバーがたくさんあります。「落ち着いたら行きますね」と言って一年経ってしまいました。無力さはいつも感じますが、こういうときこそ目の前のボトルにはしっかりと向き合って、また飲みに行けるときを待ちたいですね。

評価

評価:A+

テイスティングコメント

香りはしっかりと麦の香りがたち、その後アプリコットやアップルビネガー、リコリス、ミネラル、柔らかいピート
飲むと穏やかな麦感にピート、アプリコットと近年系のシェリー感、オレンジ、ペッパー、ミネラルにほんのり腐葉土と硝煙が混じるピート。
余韻はスパイシー、フルーツ、硝煙の香り

コメント

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