脱・ウイスキー初心者への道⑤ ウイスキーと、ウイスキーの情報との付き合い方

脱・ウイスキー初心者への道
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ウイスキーを深く知ろうとするとき、書籍・ブログ、SNSやメディアコンテンツといった様々な「情報」を見ることがあります。ウイスキーを飲むときに、その情報はどのように付き合えばよいのでしょうか。本稿はこのことについて触れてきます。

前回の脱・ウイスキー初心者への道④はここからどうぞ。

初めから読む方は脱・ウイスキー初心者への道①へ、下のリンクよりどうぞ。

ウイスキーを捉える視点を養う

ある程度ウイスキーを飲み始めたら、飲んだウイスキーを分類し系統立てていくことも有効でしょう。この分類とは何を指すのか、から考えていきましょう。

よーし!まずは全蒸留所制覇を目指すぞ!その後は少しハイレンジ、アイリッシュと…いい感じじゃないかな。Cさんの意見も聞いてみよう。

Cさん、ウイスキーをたくさん飲んでみようというアドバイスを考えて、まずはスコッチの全蒸留所のオフィシャルから飲んでいこうと思ってます!これでもっとウイスキーに詳しくなれますかね?

うーん、やりたいならそれはそれでいいと思うし、達成できたらすごいことだと思うんだけど、あまり型にとらわれすぎるのも良くないと思うよ。ウイスキーには詳しくなれると思うけれど、あまり義務的にしすぎると途中で楽しめなくなる人もいるからね。

そうでしたか。てっきりウイスキーの初心者向けの本に出てるボトルは全部飲まないと駄目かなって思ってました。

飲むに越したことはないんだけど、あまり必須と考えないほうがいいと思うよ。では、ちょっとこのあたりの話をしようか。

ウイスキー解説本の良し悪し

世の中にはウイスキーの解説本が何冊もあります。有名な人が書いた新刊がでたらなるべく読むようにしているんですが、よくまとまっていて、熱意のこもった本が日本にはたくさんあります。

よくある本の構成はこうです。まずウイスキーは何から出来ているのか、製造工程・熟成はどうなのか、樽はどうなのかなど製造に関するものが紹介され、その後飲み方の紹介、バーの紹介、そして蒸留所と代表的なボトルの紹介です。別にこの構成にケチを付けるつもりはないのですが、ウイスキーを飲みすすめ、ドリンカーとして経験値を積んでいくと、この構成だけではなにか足りないことに気づきます。それは個々のボトルや味わいについての記載です。スタンダードクラスについては解説があるものも多いのですが、それ以降はあまり解説がない、そもそもボトルの紹介がされていないことがほとんどなのです

これは本の中身が悪いとか著者が悪いというわけではありません。本という媒体が不得意とする問題でしょう。出版物は流行に乗りすぎた記載をしてしまうと、その本の賞味期限も短くなります。熱意と時間をかけて作成した本ですから、長く多くの人が親しみやすいように作成されることは当然のことですが、なるべく多くの方に読んでもらおうとすると、その分スタンダードの無難な話のみに行きついてしまいます。例えば、私の手元にある2019年に出版されたとある本を覗いてみます。有名な方が書かれていて、私も初心者に何か一冊いい本がないかと聞かれたら勧めることの多い、とても初心者に良い本です(紹介したいくらいなのですが誤解を生む恐れがあるため本稿では伏せます)。スタンダードボトルが各生産地域ごとにたくさん掲載されていますが、グレンフィディックもグレンリベットも旧ラベルになってしまいました。推奨されているボトルの一つ、ボウモア15年ダーケストは、ボウモアが新ラベルになり別の味わいになったと言っても過言ではないでしょう。たった2年で本の情報が古くなる、ウイスキー市場はそういうものです。書籍という長く親しむのに適したコンテンツで、ボトルにフォーカスを当てて共感を得てもらおうというアプローチは、よっぽど人気でないとなかなか難しいのではないかと思います。

このように市場にあるボトルは流動的なものです。書籍が紹介できるボトルは、スタンダードボトルでいっぱいいっぱいでしょう。ではこのボトル一覧はどう活用すべきでしょうか。おすすめの使い方は当該蒸留所のボトルを飲んだときに見返してみて、知識を肉付けするのに使うという方法です。飲んでもいない蒸留所の知識ばっかり増えるのも否定はしませんが、あまり頭でっかちになってしまっても飲んでて楽しくないんじゃないかなと感じたことがありました。あくまで飲んで、そして、知るという流れを作ることがドリンカーとして柔軟な知識が道つくコツなんじゃないかと思うわけです。

ウイスキーをどう飲むか

さあ、そのようにして飲み勧めていったウイスキーですが、飲んだものを知識として定着させるためのアプローチを考えていきましょう。ウイスキーにハマり続けていくと、どのように飲むことが多くなるか考えていきます。例えばアイラの蒸留所を一通り飲んでみようと思ったり、たくさんのものを飲もうと思い始め、蒸留所を制覇しようといろんなウイスキーを試したりしたことはなかったでしょうか。上でAさんが言っていた「本に載っているボトルを全部飲んでみる」みたいなアプローチの手法もあります。このように、たくさん飲むことに対するアプローチも様々あるんですが、目標を大きくくくりすぎると、その縛りにのことを考えすぎてしまって、楽しめなくなってしまう恐れがあります。まずは小さい目標を積み重ねていくのが良いでしょう。そのための小さな目標はどう作っていくべきでしょうか。

かなり経験値を積んだドリンカーが、どのようにウイスキーを捉えるのかを考えていきましょう。

次の項目は下記のリンクから。

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