しっかりしたボディと桃のフレーバーが主張する良リリース。
ボトルスペック
生産地域:ハイランド
蒸留所名:スペイサイド蒸留所
オフィシャル/ボトラー名:THE WHISKY FIND for MALTOYAMA
樽の種類:シェリーバット
カスクナンバー:#3
蒸留年:1995
熟成年数:年
ボトリング年:2019
Speyside distillery
bottler: the whisky find for MALTOYAMA
1995-2019
54.7%
A sherry butt matured
O/T: 51 bottles
解説
ハイランドにある新興蒸留所のスペイサイド蒸留所。蒸留所の詳しいヒストリーは以前の記事をご覧ください。
台中と香港に店舗を構えるTHE WHISKYFIND. 元々は酒販店ですが、数年前よりボトラーズとして活動を始めており、台湾や日本のみならず様々な地域でリリースされています。三国志やジャズシリーズなどの芸術的モチーフを取り入れたラベルが特徴で、ジョンミルロイ氏やマッシュタンの鈴木氏、ジェイズバーの蓮村氏などとのコラボなども話題になりました。今では世界的にもかなり大きい市場である台湾ですが、代表のOdinは70-80年代からウイスキーが入ってきていた、アジアでの日本の立ち位置をかなり汲んでくださっており、そういう経緯もあり日本とのコラボが多いのでしょう。誠実で優しいお方ですが、日本でテイスティング会をしているときにインポーターのキムラさんから食べされ続けていた天下○品は得意でないようで、「悪夢だ」と言っていたこともありました。笑
そんなウイスキーファインドが今回富山の酒屋であるモルトヤマ向けにリリースしたのが今回のボトル。店主の「下野孔明(ただあき)」氏に因み、ウイスキーファインドの三国志シリーズをオマージュするような、三国志の孔明をモチーフとしたボトルデザインでリリース。シェリーバットなのにジョイントなしで51本というとても少ない本数で、一瞬で売り切れたボトルとなりました。
考察
さて、このボトルなんですが結構面白く、またハイクオリティなボトルでした。2019年の11月に富山県のリクオルさんで、キムラさんの試飲会が開かれ、そこで先行試飲が出来たのですが、そのフルーティーでしっかりとした味わいで高評価の声が多く、下野さんもそのクオリティにご満悦でした。
1本のみウッディさが強く出てしまったサンプルボトルがあり、それは持ち寄り会や某バーで先行サンプルとして試飲できたこともありましたが、市場にリリースされたボトルはそういうボトルはないようです。
口開けはまだ固いボトルでしたが、徐々に桃感や和三盆のような優しい甘み、またマスカットのようなフルーティさもあり、桃感が心地よいボトルでした。
振り返ってみると過去にも1995ビンテージは話題になったことがありました。数年前にBBRのレトロラベルでリリースされ、そのフルーティーさに結構話題になったボトルです。そのフルーティーさに桃感が合わさった感じといえばいいでしょうか、ちょっと今までのリリースとは異なるフルーツの系統で、味わい的にも珍しいリリースです。スペイサイドはボトルもフルーティーというわけではないでしょうが、95のみならず先述した91も少し別のベクトルのフルーティーさはあり、線がそこまで太くないながらもフルーティーさが楽しめる蒸留所になっていくのかもしれません。
しかしナイスなリリースでした。おそらく今後経過でさらに一体感が増すのだろうと思うとさらに楽しみです。今後もいろんなPBを出して欲しいなと願うばかりです。
評価
評価:A++
テイスティングコメント
桃のシロップ、マスカット、バニラ、シナモン、黒糖、レモングラス、淡いマラスキーノシロップ、ホイップクリームっぽい油分。
飲むと桃の缶詰、和三盆、紅茶、蜂蜜、バニラ、柔らかいウッディさ、温度変化でフルーティーさは前面に来る。余韻はレッドペッパーのようなスパイシーさ。
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