白州18年 43% オフィシャル 2018年ころ流通

ジャパニーズ
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ボトルスペック

生産地域:日本
蒸留所名:白州蒸留所
オフィシャル/ボトラー名:オフィシャル
熟成年数:18年
ボトリング年:2017-2018年ころ?

Hakushu distillery
bottler: Official (Santory)
aged 18 years
43 %

解説

日本で初めて本格的なウイスキーを製造したサントリーの山崎蒸留所。このストーリーは連続テレビ小説マッサンでも取り上げられたこともあり、ウイスキー好きな方なら有名な話でしょう。そのサントリーが同社のウイスキー誕生50周年を記念して、山梨県北杜市に設立したのが白州蒸溜所です。

白州蒸溜所は実は2つあり、現在稼働しているのは白州東蒸溜所と言われている蒸留所。現在白州蒸溜所といえば、この東蒸溜所を指します。当初1973年に設立されたものは白州西蒸溜所と呼ばれる蒸留所になります。元々白州蒸溜所はサントリーオールド用のモルトを生産するのが主目的だったようです。ここには、大型で同じ形状の6対のポットスチルがありました。西蒸留所は1977年に6対のポットスチルを増設し、当時世界最大の蒸留所となります。しかし、1981年に白州東蒸留所が設立され、白州西蒸溜所は程なくして閉鎖されました。現在の東蒸溜所は、比較的小さなポットスチルが多く、様々な形状のスチルがあることがわかります。2014年にはポットスチルが増設され、現在14基のポットスチルで蒸留しています。

2017年3月に撮影。大小さまざまなポットスチルが日本の蒸留所らしいですね。

スコットランドでは蒸留所に単一の形状のポットスチルを置くことが多いですが、なぜ様々なポットスチルが設置されているのか。スコットランドではウイスキーの会社は複数の蒸留所を持ち、その単一蒸留所の味を混ぜ合わせてブレンデッドウイスキーを作ることが一般的です。一方日本にはそのような文化がないことから、一つの蒸留所で原酒のブレンドができる方が都合が良いです。そのため蒸留所内に様々なポットスチルがあり、違った味わいの原酒を作ることができます。上の写真で一目瞭然ですね。このような工夫により様々な特徴をもった原酒を作ることが可能になっているわけです。シングルモルトでありながらちょっとスコットランドと状況が違うぞ、というのはちょっと知っておいても良いでしょう。

また基本的に日の目を浴びることはないのですが、2010年にグレーン蒸留器も建設されています。こちらは規模は小さく、実験用とのことです。

2017年3月に撮影。見学通路からは立入禁止となっていますが、この奥にグレーン蒸留器があるようです。

シングルモルト白州は、1994年に白州12年、1998年に白州10年、2006年に白州18年、2008年に白州25年がそれぞれ発売されました。白州10年は2013年に終売、現在シングルモルト白州がそのラインナップを補って販売されています。

昨今のジャパニーズウイスキーブームで、サントリーの山崎や白州をはじめとしたウイスキーの原酒不足が報じられたのはご存じでしょう。2014年頃はまだドン・キホーテなどで白州12年とテイスティンググラスセットが定価で売られていたのを覚えていますが、5年もすれば市場が簡単に変わるのを実感しています。

考察

 白州18年はウイスキー愛好家の中でも好きな人が多い銘柄。個人的には25年よりもバランスの取れた華やかなオーキーさがあり、好きな味わいです。18年の方が好きという思いを持っているドリンカーは、私以外の方もちらほらお見受けします。ここ数年は久しく飲んでなかったのもあり、なじみのバーでふと気になっていただきましたが、安定して良い香味でした。

嫌みのないオーク香やエステリー感のバランスが良く、また柑橘系のアクセントもあるなど、ジューシーさの中に結構複雑さもあって美味しく楽しめます。華やかな香味はグリーンボトルに合いますよね。カスクストレングス慣れしていると少し物足りなさは正直感じてしまうんですが、完成度が高いボトルです。このバランスの良さはブレンド技術と幅広い原酒を用意できていることによるのでしょう。

ロット番号から推察するにおそらく2018年ころのリリースで、同ボトルは高騰の一途をたどっています。一方で最近ノンビンテージや12年がおいしくなったという噂もありますので、見かけたら買ってみても良いかもしれません。久しぶりに飲んだ白州18年でしたが、安定して良い味わいですね。

評価

評価:A++

テイスティングコメント

香りは優しい香りだち。ハニーシロップ、ワックス、オーク、メロンの皮、奥にすだちなどの柑橘香、うっすらとスモーキーさもある。
飲むと柔らかいがコクのある飲み口。バニラ、マスカットジュース、ハニーシロップと焦げ目のついたパン、木酢、徐々に洋梨やグレープフルーツのわたが強くなり、樽のタンニン、ホワイトペッパー、ピート。余韻は短め。

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