グレンバーギー 1995-2019 23年 ザ・ウイスキーフープ 54.7%

スペイサイド
bsh
この記事は約5分で読めます。
グレンバーギー 1995-2019 ザ・ウイスキーフープ Glenburgie 1995-2019 THE WHISKY HOOP
グレンバーギー 1995-2019 ウイスキーフープ

ボトルスペック

生産地域:スペイサイド
蒸留所名:グレンバーギー
オフィシャル/ボトラー名:ウイスキーフープ・シグナトリー
樽の種類:ホグスヘッド
カスクナンバー:6507
蒸留年:1995
熟成年数:23年
ボトリング年:2019

Glenburgie distillery
bottler: Signatory Vintage for the whisky hoop
1995-2019
aged 23 years
54.7 %
a hogshead matured
O/T: 227 bottles

解説

グレンバーギー蒸留所

1810年にウィリアム・ポールが設立し、1829年に正式に蒸留所としての免許を取得したKilnflat蒸留所。財政難により1870年に一度閉鎖されますが、1878年、チャーリーズ・ヘイがGlenburgie-Glenlivetとして蒸留所を再開させました。これがグレンバーギー蒸留所のスタートになります。その後所有者は転々としましたが、1936年にHiram Walkerによって買収され、同時にMiltonduffを買収したことから、以来ミルトンダフとともにバランタインの原酒として使用されることとなりました。ミルトンダフと同様、1958年から1981年にかけて2組のローモンドスチルが設置され、グレンクレイグとしてリリースされていました。2004年、古い蒸留所は解体され、現在では巨大な、6基の蒸留器を備えた蒸留所になりました。2005年からシーバスブラザーズに加盟しており、ペルノリカール系列の蒸留所となっています。

グレンバーギーはグレントファース、ミルトンダフとともにバランタインの原酒としての側面が強いボトルですが、ここ最近はシングルモルトのリリースも散見されるようになりました。2018年(スコットランドでは2017年)にバランタインのモルトとして、グレンバーギー15年がリリース、2019年には日本未発売の18年もリリースされています。一方、それ以前のオフィシャルリリースはなく、ゴードン・マクファイルよりリリースされていた程度でした。

ボトラーズのリリースはまだ比較的流通しており、日本に流通しているものに限定しても、モリソン・マッカイあたりから1988辺りのビンテージ、数年前に各ボトラーから90年代前半のビンテージ、シグナトリーから1995ビンテージ、エリクサーあたりから1998辺りのビンテージなど、幅広くリリースされている印象です。フルーティーで好印象のボトルも多く、ひそかに購入されているドリンカーも多いのではないでしょうか。ブームのようにはなくなっていませんが、一部そのおいしさを知った人たちが買っているのか、静かに市場からなくなってきている印象です。

ウイスキーフープ

「日本の愛好家が自分達が飲みたいウィスキーを安価にそして安定的に入手し、共に享受すること」を目的に2014年に設立された愛好家団体です。長くウイスキー業界で有名だった曽根物産の坂本氏がチェアマンを勤め、現在日本に良質なウイスキーを引っ張ってくるべく精力的に活動をされています。基本ウイスキーフープのボトルはメンバーでないと入手することが出来ませんが、一部は一般販売されているものもあります。活動も6年と長くなり、年々良質なボトルをリリースされているのではないでしょうか。日本のボトラーズとしてみると、インポーターのオリジナルリリース以外では信濃屋に次ぐリリースとなっており、名実ともに日本を代表するボトラーズの一つといえるでしょう。

会員にボトルを頒布するという性質上、会員上限はだいたい150人ほどと聞いています。ご縁があり私もフープ会員ですが、現在は新規入会を受け付けていないという噂です。ウイスキーフープ会員は基本バー、バーテンダーさんが主体であり、こちらにリストアップされている会員のバーで飲むことができます。一般販売される酒屋も限定されているので、気になる一般販売のボトルがあれば、ここに掲載されている酒屋を探すのが効率的です。

考察

さて、このグレンバーギーはウイスキーフープの2018年12月頒布ボトルとしてリリースされました。ウイスキーフープのリリースを支えたシグナトリーからのセレクトです。前述したように、90年代のバーギーは軽やかでフルーティーで桃感などが出てくるリリースが時々あり、バーギーのリリースには期待しておりました。
丁度同時期には同ビンテージで信濃屋から出たシスターカスクもあり、リリースが被った格好です。どちらも桃などのフルーツ感が印象的で美味しいボトルでしたが、やや2本の方向性は違う印象を受けました。

信濃屋のリリースは一言でいうならキレイ目で、桃感などのフルーツがしっかりと出てくる、らしさ全開のボトル。一方フープのリリースは少しピーティーさも感じ、麦感が下支えするような、芯の太いタイプのボトル。フルーティーなニュアンスもしっかりありますが、それが前面に出てくるボトルではありません。

思えばフープのリリースはフルーティーさ全開のボトルがあまりない印象で、時折こういうリリースがあるように思います。印象的だったのは設立当時にリリースされたインペリアル1995でしょうか。あのボトルはやや舌に残るタールっぽいピートが印象的でした。このボトルはそこまで焦げやタールのニュアンスが出てくるものではありませんが、あまりバーギーで感じない太い麦のニュアンスは印象的で、面白いボトルだなと思います。

信濃屋向けとどちらが好きと答えるかは完全に好みの問題だと思いますが、なかなか印象深い、良いリリースでした。時間を置いたら評価がまた変わるかもしれず、時々飲んでゆっくり付き合いたいボトルでした。

評価

評価:A+

テイスティングコメント

香りは桃、プラム、洋梨のジュレ、ピーナッツクリーム、少しピートを伴った麦、
飲むとしっかりとしたボディ。ハニーシロップ、桃、洋梨、プラムなどの果実感に、デーツ、シナモンやカカオパウダーなどのスパイスや木の実を煮詰めたような味わいが混じる。しっかりとした麦のニュアンスがしっかりと長く残る。

コメント

タイトルとURLをコピーしました