スキャパ 1988-2018 30年 コニサーズ・チョイス 53.8%

スキャパ 1988 30年 53.8% リフィルバーボンバレル / G&M コニサーズ・チョイス カスクストレングス アイランズ
スキャパ 1988 G&M コニチョ
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コニサーズ・チョイスの長熟レンジ。良質なリフィルバーボンの長熟らしい素直な味わい。

ボトルスペック

生産地域:アイランド
蒸留所名:スキャパ
オフィシャル/ボトラー名:ゴードン&マクファイル コニサーズ・チョイス(アッパーレンジ)
樽の種類:リフィルバーボン
カスクナンバー: 10585
蒸留年:1988
熟成年数:30年
ボトリング年:2018

ResionIsland
DistilleryScapa distillery
Official / BotterGordon and Macphail
BlandConnoisseurs Choice
Batch / Cask no.18/069, #10585
Filled1988
Bottled (YYYY.MM.DD)2018.Sep.13
Matured years30 years
Cask typeRefill Bourbon Barrel
Alc. %53.8%

解説

ゴードン&マクファイル(G&M)から、コニサーズ・チョイスブランドのスキャパ1988年、30年熟成のボトルです。スキャパといえばゴードン&マクファイルが昔から出している「蒸留所ラベル」があり、G&M社とは繋がりの深い蒸留所です。1978年に改修されましたが94年に一度蒸留休止、97年からはハイランドパークからスタッフがやってきて、数カ月間だけ稼働させる時期が続いていたようです。2004年から本格的な改修が始まり、2005年にはシーバスブラザーズがオーナーとなり、2015年からはビジターセンターが出来るなど、復活を遂げた蒸留所の一つです。私がモルトを飲むようになったときは、スキャパは16年が普通でしたが、2015年に原酒不足からかノンビンテージ化し、スキレン及びピーテッドのグランサが現在スタンダードリリースとなっています。

G&Mの蒸留所ラベルや昔の16年はバーボン樽のバニラ感が結構しっかりとしていて、ゆるゆると飲める美味しいボトルという印象でした。スキレンも若干オーキーなものの、同じような系統で飲みやすいボトルです。メゾン向けのスキャパなど、最近のロットは独特の芳香が出ているものがあるので、その点は苦手な方は注意した方が良いのかもしれません。

さて、よくG&Mでみたビンテージのスキャパが、コニサーズ・チョイスでリリースされ結構気になっていたボトルでした。G&Mは2018年にラインナップリニューアルされ、今までリリースされていたコニサーズ・チョイスをフラグシップに置くことになりました(もっと上にPrivate Collectionというシリーズがありますが、高すぎてお目にかかったことがありません)。ファーストリリースから価格が数倍に跳ね上がったんですが、クオリティも今までのコニサーズ・チョイスとは段違いに良くなり、一部ではありますが驚きの声が挙がり、コニチョを追っている方々もいます。私もコニチョってだけで一目置くくらいには、新コニチョを信頼するほどになりました。

コニサーズ・チョイスでも30年以上の熟成期間を持つものをアッパーレンジと位置づけ、あの防御力0の紙箱ではなくなり、多少防御力のある木箱に入れられ、またダンピーボトルになり価格も跳ね上がる…という、更に高級レンジの立ち位置で販売されています。

思ったこと

コニチョでスキャパ、しかもテイスティングコメントが気になる!ということで買ってみました。コニチョは毎度ハズレ無しといってもいいくらいのリリースが続いていたので、今回もそうであることを期待していたわけなんです。テイスティングコメントの「トロピカルフルーツ」がすごい気になるコメントだったんですが、実際飲んでみるとアイリッシュにあるようなトロピカルフルーツというよりは金柑、グァバなどの香味が感じられるタイプのトロピカルフルーツでした。最近出たリリースですとブロッサムの91ダルモアみたいな系統です。フローラルなニュアンスも感じられ、美味しいボトルですが、アイリッシュやベンリアックを期待して飲むとちょっと肩透かしは食らうでしょう。

G&Mの特徴的な取り組みの一つに、樽を自分で用意している点があります。このラベルにも”Carefully MATURED in our OWN CASKS”と書いているように、G&Mって自分で樽を用意して、詰替えが許されているんですよね。だからこそスキャパではあまりみられないシングルカスクでの良質な長熟がリリースされるのでしょう。豊富なストックだけではなく、こういう点からもG&Mのすごさを感じます。

長熟でそこそこボディも保たれていてフルーティなボトルって最近中々出ないですし、ましてや80年代に良い樽で熟成されたリリースを飲むチャンスは中々ありません。80年代でも良い樽で寝かせればこういう味になるんだよ、というのを知るのにも良いボトルかもしれませんね。

評価

評価:A++

テイスティングコメント

香りはバニラ、ハニーシロップなどのバーボン樽のこなれたニュアンス、白い花、べっこう飴、ほのかにクァバ、クリーム、少し生木っぽい樽感やスパイシーなニュアンス。全体的に柔らかい。
飲むと香り通りのバニラ、ハニーシロップに洋梨、金柑やオレンジ、少しエキゾチックフルーツなニュアンスがあるがあまり強くない、甘栗、クリーム。やや強めの樽由来のタンニンが出てくるが嫌味には感じない程度。余韻はスパイシーで淡い。

結局何が言いたかったのか

新しいコニチョはだいたいすごいから飲んでみてほしい。

コメント

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